現在Village Vocational Traing Center（以下VVTC) は非常に危ない状況にある。地域の活性化に一役買ってきたVVTCではあるが、財政的に厳しい立場におかれている。かつては５人ほどいたスタッフだが、雇うことが困難になり、現在では３人のスタッフで維持している。ノンカイのGood Shephered Sistersとの助け合いもあって、今は運営を維持しているが、この先どうなるか分からない。

　現在はオーストラリアのエージェントの支援を受けているが、これは二年という期限付きであるため、その先の支援先をまた探さなければならない。しかもそういった資金は、使い道が限定されるため、実質的に運営面 でVVTCを支えるところは少ない。これはどういうことかというと、こういった援助はハコモノ主義ともいうか、建物という形のあるものを建てることに意義があるために、VVTC が本当に必要としている部分に対する支援が少ないのだ。

　実際に今、VVTCで必要とされているのは、運営や管理（事務諸経費や、団体職員の人件費、セミナーの講師を呼ぶ人件費）などである。 いくらセミナーを開く建物があっても、セミナーに呼ぶ講師やスタッフの人件費なしには運営できない。支援がハコモノ主義になる理由としては、支援先に使い道を託すのは多額の支援をする側としては不安があるから、どんな使い方をしたのか をちゃんと形として確かめたい、という気持ちがあるからだろう。だが、それは現地でさまざまなプロジェクトをちゃんと見ていないからである。数日ではあっても、VVTCのプロジェクトが行われている村やセンターをまわると、しっかりと着実にプロジェクトを進め、地域の活力のために働いていることが分かる。

　 確かに、ハコを作ることを第一目的とする支援は実際に必要だし、それを利用している面 は大きい。だが、相手に使い道を託す支援も必要なのではないか。子供や女性に対する支援や教育は、未来に対する投資という面 が強いのだから、相手を信じて任せるという方法が最も適していると思われる。だがそれを実現するには、長い年月と、相互の信頼関係を築く必要があるようだ。