8月26日、朝10時フライトの飛行機に乗り込んで、バンコクまでは約5時間。飛行機は、 台湾上空を抜け、ベトナムも過ぎ、バンコクへ近づくと、飛行機の下には赤土の大地が広がる。緑とアカ茶の対比がなんだかアジアな気持ちをかき立てる。

飛行機はほぼ予定通りにドンムアン空港に到着。飛行機から通路を通 って空港の中に入ると、そこは北緯14度。生ぬるい、なんだかむわっと肌にまとわりつくような空気の厚みを感じる。税関を無事抜け、全員で10個の荷物を持って、空港の駅へ向かう。

　ドンムアン駅は、スロープができた(一番上の写真） ため、非常に大きいスーツケース２つを含めた10個の荷物を余裕を持って運ぶことができる。

　 バンコクのファアランポンまで列車で1時間ほど。運賃は5バーツ（＝15円）。5時ごろの列車に乗ったため、学校帰りの高校生らしきカップルや、親子連れ、仕事帰りらしき人がごっちゃになってはげしく揺れる車内で楽しく話しをしている。高校生のカップルは、肩を寄せ合って何やらこそこそ話。この辺は日本とそう変わらない風景のようだ。

　 やがて列車は市内に入る。現国王が住むチットラダ−宮殿の横を通 り、しばらくすると、線路の両側の多くの人が目に入る。バンコクでも最大のスラム。列車はそこにさしかかると、急激に速度を下げる（ただでさえ遅いのに）。ゆっくりと窓の外を見ていると、衛生面 において決して良いとは言えない生活状態のように見えた。


　これまで2線だった線路がだんだん増えて、何本も周りに見えてくると、もうそこはファランポン駅。駅の中は、せわしなく動く人、人、人。しかし、みんなぱっととまってしまった。何事か？？これだけの人が集まる場所で、なぜみんな一斉にとまってしまったのか？

　 答えは簡単。駅についたのがちょうど6時で、国歌が放送される時間だったのだ。周りの人がぴたっととまるので、旅行者であろうと、郷に入れば郷に従え。とまって聞く。 駅には、大きな王様の絵。タイは国家や王様の力が強いことを垣間見た瞬間だった。

　 駅についたら、まず、明日の朝の切符を確保する。マレー鉄道ほど競争率は高くないけれど、明日の朝は早く、１日１本の列車のため、今日おのうちに買っておくことにする。駅のinformationコーナーでtime tableをもらい、外国人専用のカウンターで日にち、行き先、２等、枚数を順に伝えて、切符を買う。いよいよ明日はタイ鉄道12時間の旅だ。

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