朝、一台の車がゲストハウスの前に到着。どう見ても車の中に乗れる人数は運転手さんを入れて5人が最大。乗る人は6人。どうやら荷台にも乗るらしい。日本なら車の荷台にのってはいけないが、こちらでは結構普通 のことみたいだ。そういえば、ノンカイの市内でも何度か荷台に乗っている人がいたのを思い出した。

　荷台にはござがひかれていて、真っ赤な少し小さいりんごが4つほどと、かわいらしいモンキーバナナが何気なくころがっていた。これを見て、ぱっと、とってもなつかしい感じがした。田舎のばあちゃんの三輪車の後ろに乗って田んぼの農道を通りぬけた幼いころ。田んぼのはしにゴザをしいておにぎりやら果物を食べた思い出。ノンカイに来て、なんとなくなつかしい気がしていた訳が少しわかった気がした。

　 トラックの荷台に揺られて、ノンカイ市内から5分も走ると、道の両側はどこまでも緑が広がる。道を走る車もまばら。時々すれ違う車は、荷台にあふれるほどの人をのせている。 さらに20分ほど走って一つ目の学校に到着する。
　 車で学校内に入ると、グランドが左に見え、セパタクローのコートもある。私達がトラックから降りると、生徒達が好奇心に満ちたでっかい目でこちらを見ている。

　今回訪問する学校は３つ。1つ目の学校には、4人のKidsスカラーシップ生がいる。トラックから下りて校長先生と女の先生に挨拶する。1階の職員室らしきところで、4人の女の子と向かい合って話をはじめた。
彼女達と日本首都当てゲームをする（一番上の写真）。まだ初対面の席で、恥ずかしがっているようで、なかなか反応がなかったが、しばらく話し掛けたりしていると、段々活発になってきて日本の首都、東京を見事に正解！

みんなで地名を言う。トーキョ。キョート。オオサカ。フクオカ。ホッカイド。
　
　緊張がとけてきたところで、日本から持参した千代紙で彼女達とツルを折る。1回目は、同行した大学生二人が教えるのを真剣なまなざしで、必死に手順を追いながら丁寧にツルを折りあげた。始めてとは思えない出来具合に一同おどろく。しかし、もっとおどろいたことは、2回目はすでに覚えてしまって、手本なしで折ってしまったことだ。

　ツルをおったくらいでおおげさだと言われるかもしれないが、彼女達は学んだことを自分のものにする力を持っている。将来のある子供が外的な影響によって、教育の機会が与えられないことは、タイの将来にとって多大な損害なように思えた。